令和2年度の最大の変更点は「ものづくり補助金」を中心とする各種補助金事業が「中小企業生産性革命推進事業(仮称)」として3,600億円規模で予算措置されたことです。
中小企業の制度変更への対応や生産性向上の取組に応じて、設備投資、IT導入、販路開拓等の支援を一体的かつ機動的に実施されるようになります。
これまで単年度で実施していたために、設備投資のタイミングと補助金の公募のタイミングが合わないといった課題がありました。
これを踏まえて通年で公募、複数の締切を設けて審査・採択を行うことで、都合の良いタイミングで申請・事業実施が可能になります。
なお電子申請となり、事前にGビズID(アカウント)の取得が必要になります。
次に補助金の概要をご紹介します。
【1】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金:一般型)
中小企業等が行う、新製品・サービス開発や生産プロセスの改善のために必要な設備投資を支援。
補助金額 100~1,000万円、 補助率 中小企業 1/2(原則)、小規模 2/3
申請要件① 付加価値額 ∔3%以上/年
申請要件② 給与支給総額 ∔1.5%以上/年
申請要件③ 事業場内最低賃金 地域別最低賃金+30円
【2】持続化補助金
小規模事業者が取り組む販路開拓や生産性向上の取組を支援。
補助金額 ~50万円(10者まで共同申請可能 上限500万円)、補助率 2/3
申請要件 小規模事業者
加点要件 事業計画期間内において、「給与支給総額 ∔1.5%以上/年向上」、「事業場内最低賃金 地域別最低賃金+30円以上」
【3】IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)
バックオフィス業務の効率化等の付加価値向上に繋がるITツール導入を支援。
補助金額 30~450万円、補助率 1/2
申請要件※① 給与支給総額 ∔1.5%以上/年
申請要件※② 事業場内最低賃金 地域別最低賃金+30円
※一部事業者は加点要件
注目点
〇通年で公募し、複数の締切を設けることで、都合の良いタイミングで申請・事業実施することが可能になるとのこと。
〇積極的な賃上げや被用者保険の任意適用に取り組む事業者を優先するとあります。
一方で3年以内に同事業に採択になった事業者は減点措置もあるようです。
加点と減点のバランスはわからないですが、これまで不採択だった事業者への配慮がありそうです。